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2021 年度 実施状況報告書

新しい卵管観察法による精子と初期胚の卵管内輸送メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06468
研究機関旭川医科大学

研究代表者

日野 敏昭  旭川医科大学, 医学部, 助教 (10550676)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード卵管 / 初期胚 / 蠕動運動 / 卵管液 / in situ / ライブイメージング
研究実績の概要

目的:本研究の目的は、卵子や初期胚がどのように卵管内を移動して子宮に至るのかを明らかにすることである。本年度は、卵管内初期胚の挙動を正確に捉えるために、GFP蛍光を発するGFPマウス由来の初期胚(GFP胚)のライブイメージングを試みた。
方法:初期胚の観察に先立って、次の2つの処置のいずれかをマウスに施した。①卵巣移植:GFP雌マウスから卵巣を採取し、すみやかにC57BL/6NもしくはB6D2F1の卵巣と外科的に入れ替えた。手術した雌マウスは2~4週間後に雄マウスと同居させた。②胚移植:体外受精もしくは自然交配に由来する2細胞期のGFP胚を偽妊娠1日目のICR雌マウスの卵管に注入した。
卵管内のGFP胚の観察は、生体に繋げた状態の卵管に励起光をあて、卵管壁越しに届くGFP胚の蛍光を高感度デジタルカメラで検出して行った。
結果:卵巣移植を施した雌マウスでは、GFPマウス由来の卵巣の生着や発育卵胞の存在を確認できたが、交尾後の卵管にはGFP胚を確認できなかった。その原因は検証中だが、手術の影響により、排卵か卵子の卵管への移行に異常をきたした可能性が考えられた。一方、GFP胚を卵管内に移植した雌マウスの卵管では、GFP蛍光を指標に卵管壁越しにGFP胚を明瞭に捉えることができた。卵管内のGFP胚の挙動は、妊娠2日目では、膨大部の子宮に向かう蠕動と狭部下部の卵巣方向の蠕動に同調し、GFP胚は卵巣方向や子宮方向に行ったり来たりを繰り返していた。妊娠3日目では、GFP胚は、狭部下部や卵管子宮接合部の子宮方向に向かう蠕動に同調し、極めて緩やではあるものの、少しずつ子宮に向かって移動していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度と同様、コロナ禍による種々の業務の負担増に伴い、研究にあてる十分な時間を確保できなかったが、最低限、GFPマウス由来の初期胚によるライブイメージングは達成できたので、このような評価とした。

今後の研究の推進方策

初期胚の卵管内挙動に関するデータ収集を継続する。また、排卵卵子の卵管への移動に関する予備的知見を得ることができたので、それに関するデータ収集も一緒に行い、すみやかな論文投稿を目指す。

次年度使用額が生じた理由

昨年と同様、国外の共同研究者(研究協力者)がコロナによる入国制限により来日できず、計上していた旅費を使うことがでなかったため、次年度使用額が生じてしまった。共同研究者の来日と共同実験は、コロナ禍での規制が解除されたら、できる限りすみやかに行い、そこに繰越金を充当したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] ハワイ大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ハワイ大学

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公開日: 2022-12-28  

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