研究課題
基盤研究(C)
マウス生体の卵管を使い、配偶子や初期胚の卵管内輸送メカニズムについて検討した。卵子は、卵管内を流れる卵巣方向の液流に逆らいながら、繊毛運動の働きによって受精の場である膨大部に移動していた。初期胚は、卵管の蠕動運動によって生まれる液流や、蠕動運動そのものの働きによって、子宮に向かって少しずつ移動していることが示された。
生殖生物学
ヒトや家畜において、不受精による受胎率低下や原因不明の不妊が報告されている。これらの異常を理解し、その原因を解明するためには、配偶子がどのように卵管内を移動して受精し、初期胚がどのようにして子宮にいたるのかについての正確な理解が求められる。本研究成果は、体内受精から妊娠に至るまでのメカニズム解明のみならず、ヒトの不妊症や家畜の受胎率低下の原因解明に繋がると期待される。