本研究の目的は哺乳類の受精現象における亜鉛を介した制御機構を分子レベルで明らかにすることにより、不妊症の原因解明・治療や避妊薬の開発につなげることである。精巣で発現する亜鉛トランスポーターを消失させることによって亜鉛シグナルの生殖機能における機能解析を進めた。亜鉛イオンを細胞外へ排出する細胞膜上のZnT1, 線虫において精子の細胞内オルガネラ膜上に局在する亜鉛トランスポーター Zip7を精巣内生殖細胞でのみ遺伝子欠損を誘導すると、いずれの遺伝子も雄性不妊を示し、雄の生殖機能において必須であることが明らかとなった。
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