本研究では、環状染色体を持つヒト細胞の生育を阻害する化合物候補としてカンプトテシンが得られた。ある種のがんは高い頻度で環状染色体を持つことから、カンプトシンはこれらのがんの治療に使える可能性がある。分裂酵母においては、Gsk3とGsk31が環状染色体を持つ細胞の形の維持に必要であることを発見した。また、Pht1が環状染色体を持つ分裂酵母の生育に重要であることがわかった。さらに、ロミデプシンが環状染色体を持つ分裂酵母の生育を阻害することを発見した。今後は、これらの発見がヒト細胞においても保存されていれば、環状染色体を持つがんの治療に使えることが期待できる。
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