胚性幹細胞でのリボソームRNA転写調節は細胞分化制御において重要である。我々が発見したSOX2を含む新奇タンパク質複合体はリボソームRNA転写調節領域に結合することから、リボソームRNA転写制御への関与が示唆される。我々は細胞内において複合体の構成因子であるSOX2とTBPの人工的な発現低下により、リボソームRNAの転写が減少することを明らかにした。また、SOX2とTBPが転写調節領域へ結合するには、互いに協調する事が必要であることを明らかにした。これらの結果から複合体が転写調節領域のゲノムDNA高次構造変換を引き起こし、リボソームRNA転写を促進するというモデルを構築した。
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