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2020 年度 実施状況報告書

タンパク質ヒスチジンメチル化の理解

研究課題

研究課題/領域番号 20K06497
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

島津 忠広  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (10618771)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードメチル化
研究実績の概要

これまでの予備的知見から、ヒト培養細胞(HEK293T)において、SETD3 KOでτメチル化が約10%程度残っていたことから、SETD3以外にもτメチル化を担う酵素があるものと考えられる。METTL18 KO細胞において基質探索を試みた結果、少なくともリボソームタンパク質であるRPL3が基質となることを発見した 。また、MALDI-MS解析によりメチル化部位 (His245) は酵母におけるメチル化部位 (His243) と保存されていることが分かった。さらにKO細胞中ではRPL3のメチル化が完全に消失し、KO細胞にMETTL18を再発現することでメチル化が回復したことから、RPL3のメチル化にはMETTL18が決定的に重要であることが示唆された。今年度、tauメチル化に果たすMETTL18の役割について、RPL3以外の基質を探索したところ、有力な候補を見出すには至らなかった。さらにMETTL18によるRPL3のヒスチジンメチル化が翻訳に影響を与えるか調べるために、リボソームプロファイリングによる解析を行った。その結果、特定のコドンの翻訳過程にMETTL18が関わる事が示唆された。また、UPF0586はジペプチドであるカルノシン (βAla-His) のHisをπメチル化する酵素として報告されているが[J Biol Chem. 2015; 290(28): 17190]、長鎖のペプチドや、タンパク質のHis残基をπメチル化する活性を持つのかは不明であった。今年度実施したタンパク質基質探索の結果、UPF0586によってHisメチル化を受ける複数の基質タンパク質を同定することが出来た。現在、それらのメチル化の分子機構やその生理機能について、解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね計画通りに実験が進み、また期待通りの結果が得られたから。

今後の研究の推進方策

今年度の進捗状況を踏まえて、特に大きな計画変更は必要ないと考えられるので、研究計画書に記載した通りの方針で実験を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は新型コロナウイルス流行に伴い、当初の実験計画のうちの一部が今年度に持越しとなったことなどの理由により差額が生じた。今年度以降、順次必要な試薬を購入して実験を行いたい。

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公開日: 2021-12-27  

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