コンドロイチン硫酸は軟骨の主成分として広く知られているが、自己免疫疾患の動物モデル実験でコンドロイチン硫酸が関わっていることがわかってきた。これはコンドロイチン硫酸が免疫応答を制御する可能性を示唆している。そこで私達はコンドロイチン硫酸を用いて樹状細胞の反応を制御することを目標とした。樹状細胞は体内に侵入してきた細菌やウイルス感染した細胞の断片を認識し、それを他の免疫系の細胞に伝える司令塔のような役割を持つ。従って樹状細胞が過剰に反応すると自己免疫疾患につながる恐れがある。私達の研究成果から、免疫応答に対するコンドロイチン硫酸の硫酸化度による制御は今後大いに期待できると考えられる。
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