アトピー性皮膚炎の患者数は、国内で数十万人といわれており、その生活の質の向上のために発症メカニズムの解明や治療法の開発が求められている。これまでフィラグリン分子の機能異常が発症要因として知られていたが、本研究では、SASPaseがフィラグリン分子の分解において重要な役割を果たしているという結果を得ることに成功した。このことは、社会的な意味でアトピー性皮膚炎の治療法の開発に繋がる可能性があると考えている。また、酵素SASPaseが基質を認識する機構を原子レベルで明らかにしたことから、学術的にも大変興味深い結果であると考えている。
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