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2020 年度 実施状況報告書

転写と共役したヌクレオチド除去修復におけるコケイン症候群タンパク質の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K06543
研究機関大阪大学

研究代表者

西條 将文  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90221986)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードヌクレオチド除去修復 / コケイン症候群 / CSA / CSB / 紫外線
研究実績の概要

本研究の目的は、コケイン症候群タンパク質の機能を解析することにより転写と共役したヌクレオチド除去修復(TC-NER)の分子機構を解明することであり、令和2年度は以下の研究成果が得られた。
1. コケイン症候群患者由来のミスセンス変異をもつCSAを作製しユビキチンリガーゼ複合体形成能について調べたが、どの変異CSAタンパク質も複合体を形成しなかった。調べた変異のすべてがWD40リピート内にあるので、きちんとしたbeta-プロペラ構造を取れないためと考えられる。一方で、紫外線高感受性症候群患者由来のミスセンス変異をもつCSAは、野生型CSAに比べれば少量ではあるが複合体を形成できることがわかり、複合体形成能と臨床症状との相関が示唆された。
2. CSAのC末端欠失体をCSAを欠損する細胞で発現させると、紫外線高感受性を示し、紫外線照射後のRNA合成の回復も見られなかった。また、欠失させた領域内にある保存されたアミノ酸残基の置換体でも欠失体と同様の紫外線高感受性を示した。C末端領域はユビキチンリガーゼ複合体の形成には影響しないので、この領域はユビキチン化の基質タンパク質あるいは修復因子と相互作用に寄与すると考えられる。
3. CSBが二量体を形成するという報告があるので、異なるエピトープタグを付加したCSBを細胞内で発現させて二量体の形成について検討した。CSBどうしの相互作用はごくわずかしか検出されなかったので、二量体を形成しているとしてもわずかな割合と考えられた。
4. ATPase活性あるいはユビキチン結合能を欠損した変異CSBタンパク質を調製するために組換えバキュロウィルスを作製した。精製法についても検討し、高純度のサンプルが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度初めの緊急事態宣言の発出により研究の開始に遅れが生じた。
また、コロナ禍の影響で入手に時間がかかる実験用消耗品がいくつかあり、実験計画を変更する必要があった。
これらの影響により、研究の進展はやや遅れていると評価する。

今後の研究の推進方策

CSAのC末端領域内にある保存されたアミノ酸残基の置換体のTC-NER能について詳細に解析するとともに、C末端欠失体とあわせて修復因子との相互作用を検討する。
ATPase活性あるいはユビキチン結合能を欠損した変異CSBタンパク質で、ユビキチン結合能およびATPase活性を測定する。また、クロマチンリモデリング活性を評価できる系を検討する。これらの変異体のSUMO化ならびにRNAポリメラーゼIIや他の修復因子との相互作用について検討する。
研究全体として、個々の解析結果がそれ以外の部分と関連してくるので、得られた結果をフィードバックして研究を進展させる。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で入手に時間がかかる実験用消耗品がいくつかあり、購入を次年度に持ち越した。
また、学会等がリモート開催であったため、旅費の使用がなかった。
今年度購入しなかった実験用消耗品に充て、研究を進展させる。

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公開日: 2021-12-27  

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