研究課題
基盤研究(C)
オートファジーの始動はPASが担っている。ユビキチン様タンパク質Atg8は、ユビキチン結合系に類似した酵素反応でホスファチジルエタノールアミンと可逆的に結合し、オートファジーの膜伸長に直接関わる重要な分子であるが、その意義についてはこれまでわかっていなかった。本研究では新たに液-液相分離の視点を導入することで、細胞内におけるAtg8結合反応系の真の制御機構を明らかにした。
生化学
本研究では従来型の酵素学的研究のみ行われてきたオートファジー結合系に液-液相分離の概念を導入することで、これまでとは全く異なる視点からの研究が展開された。このような視点に基づいた研究は先進的であり、オートファジーのメカニズム解明に革新をもたらしたばかりでなく、今後は液-液相分離による細胞内反応制御という細胞生物学における新しい切り口の研究領域の創成にも貢献していくものと考えられる。