研究課題
本研究は、生体内に豊富に存在する単糖であるNアセチルグルコサミン(以下、GlcNAcと称する)がどのようにして蛋白質に転移されるのかについて、三種類の糖転移酵素(Nacetylglucosaminylgransferase-IVa(以下GnT-IVa)、N-acetylglucosaminyltransferase-V(以下GnT-V)、EGF-specific O-GlcNAc transferase(以下、EOGT))に焦点を当て、X線結晶構造解析を中心手法として立体構造解析を行い、基質認識および反応メカニズムを原子レベルで考察することを目的としている。最終年度である令和4年度の研究実績は以下の通りである。まず我々が新規に発見したGnT-IVaのレクチンドメインについては多くの共同研究者のご協力の下、X線結晶構造解析、フロンタルアフィニティークロマトグラフィー、NMR測定、酵素学的アッセイ、分子動力学シミュレーションなどの多様な手法を組み合わせることで、立体構造からリガンド認識、酵素反応メカニズムを明らかにすることができた。この成果は申請者が筆頭著者かつ責任著者(木塚康彦教授とCo-correspondence authors)としてCommunication Biology誌に発表することができた。また発展研究としてGnT-IVaとアイソマーであるGnT-IVbとの違いに着目し、レクチンドメインが果たす生理機能の違いを生化学的に明らかにした。この成果は共著者としてJournal of Biological Chemistry誌に発表した。この3年間で当初の目標であった三種類の糖転移酵素に関する構造研究は概ね到達できた。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
Communications Biology
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