研究課題/領域番号 |
20K06577
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
菊島 健児 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50569142)
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研究分担者 |
瀬藤 光利 浜松医科大学, 国際マスイメージングセンター, センター長 (20302664)
矢尾 育子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60399681)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ユビキチンリガーゼ / モータータンパク質 / 軸索輸送 |
研究実績の概要 |
ユビキチンプロテアソームによるタンパク質分解は細胞内の様々な機能に重要である。これまでに、我々はE3ユビキチンリガーゼであるSCRAPPERが、神経シナプス末端のアクティブゾーンにおけるRab3-interacting molecule 1 (RIM1) の分解を促すことでシナプス情報伝達を調節していることを発表し、さらに、SCRAPPERノックアウト(KO)マウス脳内における神経伝達物質であるグルタミン酸やGABA濃度が野生型に比べて脳部位特異的に増加していることを見出した。これらのことは、SCRAPPERが神経伝達物質放出に重要な機能を担っていることを示唆するものである。更に最近、我々はSCRAPPERが神経軸索内輸送を担うモータータンパク質であるKIF1を選択的に分解している可能性を、生化学的手法を用いることで見出した。予備試験からはSCRAPPER-KOマウスではシナプス小胞が神経終末に異常な集積を示す現象が観測された。このことから、SCRAPPERがKIF1分解を制御することで、神経細胞内におけるKIF1分布を制御するとともに、神経軸索内輸送を調整している可能性が示唆される。本年度は、神経内のどこでKIF1分解が行われているのかを可視化するため、理研CBS、宮脇敦史博士のグループより提供されたオートファジー検出蛍光タンパク質であるSRAIを用いた実験系を確立。更に、オプトジェネティクスツールiLIDによりSCRAPPERの細胞内局在を制御し、SCRAPPERの局在変化がKIF1キネシンやRIM1の局在、機能に与える影響を調査するツールを樹立した。
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