植物細胞は細胞内の物質拡散のため、原形質流動と呼ばれる「一方向性の細胞内の流れ」が起きている。原形質流動発生には、アクチン繊維が束化し、さらに一定の極性をもって配向することが鍵となる。最近の研究から、ミオシンXIとアクチン繊維との相互作用によって極性が揃ったアクチン繊維の束が自律的に形成されることが示唆されているが、その分子機構は不明であった。本研究により、1. ミオシンXIのN末端がアクチン繊維を束化する、2. アクチン繊維を一方向性に曲げることにより、極性を揃えたアクチン繊維束を形成する、との2つの方法で植物内でミオシンXIが極性の揃ったアクチン繊維束を形成することを明らかにした。
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