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2020 年度 実施状況報告書

ロドプシン周辺の脂質ラフトを構成する脂質の免疫ナノ粒子を用いた網羅的質量分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K06585
研究機関浜松医科大学

研究代表者

妹尾 圭司  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50283908)

研究分担者 堀口 弘子  浜松医科大学, 医学部, 教務員 (50324356)
山濱 由美  浜松医科大学, 医学部, 教務員 (90242784)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード脂質ラフト / 銀ナノ粒子 / 金ナノ粒子 / 視細胞 / ロドプシン / 質量分析 / 二量体
研究実績の概要

免疫ナノ粒子を利用して,標的タンパク質の周辺の脂質分子を同定する方法を開発し,これまで間接的にしか示すことのできなかった脂質ラフトの周辺で起きている相分離を明らかにすることを目指している。脂質ラフトは免疫やアルツハイマー病,ウイルス感染などさまざまな生命現象や疾患に関連しており,それらの現象の起こっている際の背景となる分子レベルの現象を解明することにつながると期待される。
使用するナノ粒子として金ナノ粒子と銀ナノ粒子が利用できるが,分析能力は銀ナノ粒子の方が優れているため,銀ナノ粒子での分析を試みたが,抗体を結合させた銀ナノ粒子は凝集傾向が強く,ナノメートルオーダーである脂質ラフトの分析には不適であった。そこで,免疫銀ナノ粒子の作製法と,作製後に凝集した粒子を分離する方法を検討し,凝集をかなり減らすことができた。但し,完全では無いので,もう少し改良の余地があるのではないかと考えている。一方,金ナノ粒子の関しては,市販の免疫粒子作成キットで比較的良好な粒子が得られている事が明らかになっているので,分析対象を絞って,これを用いることも同時に検討している。
分析対象として,ロドプシンの周辺の脂質について進めるのだが,脂質ラフトの中に存在する時と,脂質ラフトの外にあるときで比較をすることが重要になる。これまでの研究で,ロドプシンが二量体になると脂質ラフトの中に存在し,単量体では脂質ラフトの外に主に存在することが分かっているので,IgGを用いた場合(二量体)と,IgGを部分的に分解して作成したFab'フラグメントを用いて比較する事が適当であると考えられるので,Fab'フラグメントの調整を行ったが,市販のキットではうまく調整できなかったため,他の方法で調整を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

免疫ナノ粒子の凝集,Fab'フラグメント調製キットでのフラグメント作成の不調,質量分析装置の故障など予想外のトラブルが発生したため,その解決に時間を要し,予定よりも研究が遅れているため,遅れを取り戻すべく,鋭意研究を進めている。

今後の研究の推進方策

まずは,ロドプシン抗体のFab'フラグメントを作製し,金ナノ粒子と結合させ,IgGを用いた場合と,Fab'を用いた場合での違いを明らかにし,本分析方法の有用性を示す報告を出す。その後銀ナノ粒子を用いる方法,ロドプシンとペリフェリン2という特性の異なるタンパク質周辺の脂質に関して分析を行い,視細胞における脂質ラフト分布に関する分析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

ナノ粒子の凝集など,予想外の事態によって予定通りに研究を進めることができず,遅れているため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Analysis of the lipid environment in outer segment membranes of rod and cone photoreceptor cells.2020

    • 著者名/発表者名
      Shuji Tachibanaki, Keiji Seno, Tateki Matsui, Kyoko Kadomatsu, Masahiro Ueda
    • 学会等名
      日本生物物理学会第58回年会

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公開日: 2021-12-27  

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