生細胞内単一ヌクレオソームイメージング、超解像顕微鏡技術、目的タンパク質の短時間分解除去法(AID法)などを組み合わせ、相分離駆動の液滴様コンパートメントRNA転写装置クラスターがクロマチン構造や動態へ及ぼす影響を調べた。これにより、生きたヒト細胞におけるクロマチン動態と転写制御の関係を明らかにするとともに、相分離生物学分野で多用されている1,6-ヘキサンジオールが細胞内のDNAを凝集させるという予想外の作用を持つことを示した。さらに、エンハンサーとプロモータの相互作用を媒介するコヒーシンと転写クラスターがクロマチン構造や動態へ及ぼす影響を調べ、両者の相乗的な役割の一端を示した。
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