研究実績の概要 |
本研究では10x Genomics社のシングルセルライブラリ調整装置を用い、Illumina社の次世代シーケンサーを使って大量のシーケンスを行ったデータを解析して、精子を一細胞ずつジェノタイピングし、連鎖解析を行い、高精度のゲノムを構築することが目標である。イトヨの精子シングルセルのゲノムシーケンスを行い、申請者が開発した連鎖解析ソフトウェアであるSELDLLAにさらに改良を加えることで、低カバレッジで欠損値の多いシングルセルのデータに対しても連鎖解析が可能であることを示した。(Yoshitake, et. al., NAR Genom Bioinform. 2022 Mar 31;4(2)) さらに、連鎖解析によってゲノムを伸長した結果をグラフィカルに確認し、手動で補正する場合の補助ツールとしてSELDLA-Gを開発した。SELDLA-GはWindowsやMacで動作するソフトウェアであり、GPUを用いて高速に描画したり、マーカー間のフェーズ一致度を高速に計算するなどして、操作性が高い。また連鎖解析とは別の染色体構築手法であるHi-Cを用いたゲノム構築の際にもSELDLA-Gを利用することが可能であり、SALSAというHi-C解析ツールの出力を入力としてコンタクトマップを編集することが出来る。開発したソフトウェアはGitHubにてオープンソースソフトウェアとして公開した。(https://github.com/c2997108/SELDLA-G) また、シーケンスデータを解析し、SNPコールから連鎖解析までを行う一連の解析フローをWindowsでもグラフィカルに行えるようにPortable Pipelineを開発し、こちらもGitHubにて公開した。(https://github.com/c2997108/OpenPortablePipeline)
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