我々は真夏の昼間の状態に似た持続的で亜致死的な熱ストレスが、細胞にどのような変化をもたらすかを、真核生物のモデル生物である酵母を用いて解析した。 酵母では熱ストレス時に液胞膜の陥入形成が起き、このとき液胞膜は相分離していること、さらに液胞膜陥入の形成がAtg8やAtg8結合タンパク質Hfl1を含む細胞内因子によって制御されていることを明らかにした。液胞膜の陥入形成はストレス時の液胞膜面積の急激な増加に対するバッファー機能として考えられるが、恒常的に液胞膜の陥入を起こしている変異株を見出し、さらにその変異株がストレス感受性になることを発見し、液胞膜の陥入は適切に制御されていることを示した。
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