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2023 年度 実績報告書

ホヤの受精機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K06621
研究機関金城学院大学

研究代表者

澤田 均  金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (60158946)

研究分担者 齋藤 貴子  静岡大学, 農学部, 助教 (10778038)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード受精 / ホヤ / 自家不和合性 / 自家不稔 / ライシン / 精子
研究実績の概要

(1)卵黄膜ライシンについて:カタユウレイボヤを用いて、精子表面タンパク質のプロテオーム解析を行い、thrombospondin type-1-repeatをもつアスタシン様金属プロテアーゼ(tast)が精子細胞膜に多く存在することを明らかにしている。またこの酵素が卵黄膜CiVC57を分解することで、精子の卵黄膜通過に関与することを報告している。今回、マボヤでも同様の現象が見られるかを検討した。その結果、GM6001やTAPI-1等の金属プロテアーゼ阻害剤はマボヤの受精を強く阻害するが、TAPI-2等のP2'部位に芳香環をもたない阻害剤の受精阻害効果は弱いことが判明した。この阻害スペクトルはカタユウレイボヤでも同様であることが示された。マボヤ精巣で発現している7個のtast遺伝子モデルを同定し、そのうち4個はN末端付近に膜貫通ドメインを有することが示唆された。これらの遺伝子産物が受精に関与するかを検討する目的でペプチド抗体を作製したが、受精を阻害する中和抗体は得られなかった。一方、精子ユビキチン-プロテアソーム系の受精への関与についてマボヤを用いて解析したところ、複数の脱ユビキチン化酵素阻害剤(特にPR619)は強く受精を阻害することが判明し、受精における細胞外での脱ユビキチン化反応の重要性が示唆された。(2)自家不和合性に関して:カタユウレイボヤの自家不和合性に精子s-Themisと卵黄膜v-Themisタンパク質が重要な機能を果たすことを遺伝学的に報告しているが、精子表面にs-Themisタンパク質が存在するという生化学的証拠は得られていなかった。今回、電気泳動法の改良と詳細なLC/MSの解析によりs-Themisタンパク質が精子に確かに存在するという確証を得た。今後はs/v-Themis間のアレル特異的な相互作用に関して立体構造解析をもとに解析することが課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Involvement in fertilization and expression of gamete ubiquitin-activating enzymes UBA1 and UBA6 in the ascidian Halocynthia roretzi2023

    • 著者名/発表者名
      Sawada H, Inoue S, Saito T, Otsuka K, and Shirae-Kurabayashi M.
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 10662

    • DOI

      10.3390/ijms241310662

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] カタユウレイボヤ精子における自他認識分子s-Themis-A/Bの検出と相互作用分子の同定2023

    • 著者名/発表者名
      花﨑可奈、橋井則貴、金城敬太、澤田均、齋藤貴子
    • 学会等名
      日本動物学会
  • [学会発表] ホヤにおける卵膜ライシンに関する総括と新展開について2023

    • 著者名/発表者名
      澤田均
    • 学会等名
      ホヤ研究会

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公開日: 2024-12-25  

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