液-液相分離で形成されるp62顆粒は、349番目のセリン残基(Ser349)がリン酸化されたp62を含み、NRF2の活性化に関与している。しかし、リン酸化の制御機構や生理的意義は不明なままである。今回、ULK1をp62のキナーゼとして同定した。ULK1はp62顆粒に局在し、p62と直接相互作用していた。擬似リン酸化p62ノックインマウス(p62S351E/+)は、NRF2の恒常的活性化と成長遅延を示し、後者は過角化による食道や前胃の閉塞を起因とする栄養失調と脱水が引き起こされていた。以上の結果は、酸化還元に依存しないNRF2活性化経路の生理的重要性と液-液相分離の新たな生理的役割を示している。
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