研究課題
本年度は、細胞内グルコース量とMondo核移行を同時に検出するためのライブイメージング実験系の構築を行った。初年度に作製したマーカー系統(細胞内グルコース量を蛍光グルコースセンサーであるGreenGlifon4000 (Mita et al., 2019) をショウジョウバエゲノムに挿入し、mAppleをMondoのコーディング領域のC末端にノックインした系統)の脂肪体を培養し、培地にグルコースを加えた時のGreenGlifonの蛍光強度とMondoの核局在をスピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡を用いて検出した。その結果、培地へのグルコース添加に応じて、細胞内グルコース濃度が上昇し、それに伴ってMondoの核局在が促進することを示すデータが得られた。一方、培地に添加したグルコースは拡散しにくく、高濃度のグルコースによる脂肪体の収縮およびそれに起因した一過的なシグナル増強が起こることが明らかになった。この問題を解決するために、グルコース添加法の検討を行っている。この問題が解決された後、グルコース代謝経路(ポリオール経路、解糖系、ペントースリン酸経路)を阻害した脂肪体を用いたイメージングデータを行い、得られたデータを数理モデル解析に供する予定である。ショウジョウバエを用いた解析と並行して、マウスモデルにおけるポリオール経路のグルコース感知への関与と疾患発症との関連を解析した。ソルビトール脱水素酵素 (Sord) ノックアウトマウスを作製し、マウスにおいてもポリオール経路がグルコース摂取に応じたChREBPの核移行に必要であることを明らかにした。また、ノックアウトマウスではグルコース耐性が低下することが明らかになった。インスリン分泌は正常であったことから、インスリン感受性が低下していることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Science Advances
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