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2022 年度 実績報告書

ホメオボックスコードによる哺乳類の異形歯性を制御するメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06651
研究機関東北大学

研究代表者

若松 義雄  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60311560)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード進化 / 異形歯性 / Msx1 / エンハンサー / 転写制御 / 歯 / 発生 / 進化
研究実績の概要

すなわち顎の基部から先端部にそって形態・機能の異なる歯が分化する異形歯性は哺乳類の特徴の1つであるが、発生過程において特定の歯が生える領域がどのようにして決まるのかは、顎原基間充織で領域特異的に発現するホメオボックス遺伝子群の組み合わせによって規定されていると考えられている(ホメオボックスコード)。ヒトの部分生無歯症の原因遺伝子であり、コードの1つであるMsx1遺伝子がどのような発現制御を受けているのかはよくわかっていない。本研究ではMsx1遺伝子の発現制御をになう顎原基エンハンサーの同定を目標としている。ニワトリ胚の上顎隆起および下顎突起を材料として4C-seq解析おこない、Msx1のプロモータ領域と相互作用するゲノム配列を同定した。その結果と動物種間の配列の保存状態から顎原基エンハンサーの候補を選び、ニワトリ胚へ遺伝子導入をおこなって、これまでに鼻隆起エンハンサー、下顎突起エンハンサー、上下顎エンハンサーを複数同定した。また、マウス胚の上顎隆起・下顎突起を用いて4C-seq解析おこなった結果、一部のエンハンサー候補配列が哺乳類に特異的、もしくは哺乳類でも有胎盤類にのみ保存されていることがわかった。これらのことから、哺乳類の進化とともにMsx1遺伝子の発現制御に変化が生じ、これが異形歯性の発達に貢献した可能性が示唆された。また、過去の後肢芽組織を用いたChip-seqデータを解析したところ、上記の顎原基エンハンサーのいくつかにPitx1という転写制御因子が結合することがわかった。Pitx1は下顎原基でも発現していることから、Msx1の発現制御を介して異形歯性の制御に関わっている可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] 哺乳類の異形歯性を規定する顎原基間充織のホメオボックスコードの解明2023

    • 著者名/発表者名
      若松義雄
    • 学会等名
      第128回日本解剖学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 放射状グリア細胞内のmRNA-タンパク輸送ダイナミクスとその進化的意義2023

    • 著者名/発表者名
      吉川貴子、若松義雄、井上-上野由紀子、鈴木久仁博、井上高良、大隅典子
    • 学会等名
      第128回日本解剖学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 異形歯性を制御するホメオボックスコードの解明2022

    • 著者名/発表者名
      若松義雄
    • 学会等名
      第62回日本先天異常学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Comparative study of testis decent and scrotal development in mammalian species2022

    • 著者名/発表者名
      Wakamatsu, Y., Kiyonari, H., Yamada, G.
    • 学会等名
      55th Annual Meeting of the Japanese society of Developmental Biologists

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公開日: 2023-12-25  

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