研究課題
基盤研究(C)
高い再生能力をもつツメガエル幼生の四肢再生の形態形成期について「四肢再生領域特異的に発現上昇する遺伝子」としてX1 と X2を同定し、それらの機能を解析した。幼生における機能欠損解析と変態後の幼若個体における機能回復解析により、X1, X2が四肢再生特異的に遠位/後方のパターニング遺伝子発現制御を行うことが示唆され、X1, X2が四肢再生時に形態形成遺伝子発現を開始させるための重要な遺伝子であることが示唆された。
再生生物学
変態後のカエルでは不完全な後肢再生しか起こせない(指のない1本の棒状の後肢が再生)。本研究では変態後のカエルで人為的に単一遺伝子(X1またはX2)を発現させることで、先端が3本に分かれた後肢を再生させることができた。このように単一遺伝子の導入のみで再生能力の向上を成し遂げられたのは世界初である。また本研究では四肢再生におけるX1とX2を起点とした「四肢再生時に形態形成機構を再駆動させる分子機構」を詳細に明らかにしつつあり、ツメガエルに完全な再生をさせるための大きな手がかりとなることが予想される。