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2023 年度 実施状況報告書

左右非対称な内臓器官の形態変化のしくみとその役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K06673
研究機関京都産業大学

研究代表者

白鳥 秀卓  京都産業大学, 生命科学部, 教授 (90362590)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード左右非対称 / 左右差 / 細胞外マトリックス / 肝臓 / 肝分葉
研究実績の概要

・左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境の解析:細胞外マトリックス因子LR1の役割を解明するために、LO1 KOマウスの形態異常の原因を探索した。その結果、細胞増殖率が異常に低下することで形態異常になることが示唆された。野生型でも一過性に形態異常が生じることがあるが、LR1によって細胞増殖率を高めて正常な発生に追いつくことが示唆された。また、LR1 KOマウスにおいて着床後の妊娠継続率が低下していることも分かった。LR1は子宮でも発現しており、妊娠時の母親の子宮における異常がLO1 KOマウスの形態形成に与える影響についても考慮して解析を続ける必要があることがわかった。
・肝臓の機能的な左右差の解析:生体肝臓の分葉間でアミノ酸代謝に関わる遺伝子の発現量に差があることを明らかにしてきた。胚発生から生後のいつからこの差が生じるのか調べたところ、胚発生中の肝臓ではそれらに差が無く、生後から差が生じることが分かった。この結果から、生後の食餌依存的にこれらの遺伝子の発現が調節されている可能性も示唆された。一方で、これらの遺伝子発現量の分葉間の差を制御していると示唆されている転写因子Pitx2は、胚発生中から継続して左右非対称に発現していることもわかった。肝臓の各分葉の形態の違いが機能的な差を生み出している可能性についても着目して、肝臓の分葉間の形態や血管分布の違いとその形成機構についても解析を進めた。肝臓におけるPitx2や分葉間で差が見られた遺伝子の発現細胞を同定して、肝臓の機能的な左右差の制御機構を明らかにしていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナの感染による研究の遅れは感じなくなり、肝臓の機能的な左右差の解析については概ね順調に研究が進んでいる。一方で、左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境の解析については、KOマウスが異常を示す割合が100%では無く、異常を示さないKOマウスもいるため、解析が予定通りに進んでいない。

今後の研究の推進方策

・左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境の解析については、妊娠時の栄養条件を変えるなどして、形態異常になるLR1 KOマウスの割合を増やして、形態異常の原因分子の探索を進めて、LR1の役割の解明を目指す。
・肝臓の機能的左右差の解析については、組織学的にPitx2や分葉間で発現量に差がある遺伝子の肝臓内における発現細胞や左右差を確認する。続いて、左右から別々に発現細胞を培養しても同様の左右差を示すのかどうかや、遺伝子発現の基質依存性など制御機構を解析する。一方、分葉間で発現量に差がある遺伝子のエンハンサーを探索する。内臓の左右非対称性が異常になる変異マウスにおける解析も進める。

次年度使用額が生じた理由

使用しているKOマウスが異常を示す割合が100%では無く、計画より解析が進まず、購入した試薬や器具が計画より少なかった、
(使用計画) 本研究をまとめるために必要な試薬や実験動物の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 動物の器官が左右非対称に形成されるしくみ2023

    • 著者名/発表者名
      白鳥 秀卓
    • 学会等名
      第166回日本獣医学会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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