研究課題/領域番号 |
20K06678
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マウス / Sox9 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
哺乳類の性は性決定遺伝子SRYが胎仔期生殖腺で発現するか否かによって決まる。SRYの機能はSOX9の発現を上昇させることであると考えられている。SOX9は胎仔期生殖腺では雄で雌より高く発現し、性決定、性分化で中心的に機能する。SOX9の発現制御はゲノム上で遠位に位置するエンハンサー領域により行われる。本研究では、マウスをモデルに、2つの発現制御領域の機能配列の同定により、ヒトの性決定、性分化の分子機構を解明することを目的とする。1つ目は、XYの性分化疾患症例で共通して見つかるSOX9上流の欠失領域から同定したマウスのエンハンサー領域mXYSRaで、mXYSRaヒト配列 (XYSRa)に置換したマウスを用いて、ゲノム編集によりXYSRaの中を順次欠失させたマウスを作製し、機能配列を1塩基まで同定する。置換マウスはすでにできあがっているが、F1世代で予想外にXY核型で雌となったため、このままでは1塩基まで同定することができない。マウス性決定遺伝子SryをヒトSRYに置換したダブル置換マウスが必要と考えられる。来年度作製し、1塩基までの同定を目指す。2つ目はXXの性分化疾患症例で共通して見つかるSOX9上流の重複領域 (XXSR)である。XXSRに相当するマウス配列mXXSRが重複しているマウスを用いて、順次重複を部分欠失させたマウスを作製することで機能配列を同定する。今年度はこの領域の1/3を欠失させたマウスを2種類作製し、責任領域を1/3にまで狭めることができた。さらなるマッピングを進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
緊急事態宣言に伴って、新たなマウスの作製ができない時期が数ヶ月に渡ったため。
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今後の研究の推進方策 |
XYSRaに関しては、ヒトXYSRa、ヒトSRYを有するダブル置換マウスを作製し、これに対して詳細マッピングを進める。XXSRについては、さらなるマッピングを遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
緊急事態宣言発令に伴い、研究の進行を止めなくてはならない状況が生じたため。
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