化学ポテンシャル差(プロトン濃度差:ΔpH)に起因するチラコイド膜のプロトン駆動とチラコイド膜に特徴的な膜脂質組成の関係を明らかにするため、シロイヌナズナの野生株およびチラコイド膜脂質合成酵素遺伝子変異体を用いてプロトン駆動力測定を行ったところ、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)合成酵素変異株であるdgd1株でΔpHの特異的な低下が見られた。他のチラコイド膜脂質合成酵素遺伝子に変異のある株では、ほとんど変化がないか、もしくは電気ポテンシャル差(Δψ)とΔpHの両方に減少がみられたことから、DGDGがチラコイド膜のΔpHの維持に重要である可能性が示された。
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