植物は低温、乾燥、病原菌などの環境ストレスに応答して細胞内カルシウム濃度を上昇させ防御遺伝子の発現を誘導する。この機構については広く研究が進み、それに関わるカルシウムシグナル伝達系の分子実体も明らかになってきた。しかし、植物の成長・発達過程の細胞増殖・分化を制御するカルシウムシグナル伝達系の実体については研究が進んでいない。本研究では、生活史の大半を半数体で過ごすゼニゴケを利用したカルシウムイメージング系を構築し、生理学的・分子生物学的解析を行うことでMpMCAが細胞増殖・有性生殖のカルシウムシグナル伝達系で機能する分子であり、MCAの機能が陸上植物で保存されていることを明らかにした。
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