ニワトリの鞍羽は顕著な性差を示し,雌では褐色の丸型羽であるのに対し,雄では光沢のある赤褐色の飾り羽で小羽枝を欠くフリンジ構造がみられる。この雄に特徴的な形態は,ASIPとDIO3の発現と相関しており,成鶏雄にE2を投与するとこれらの発現が低下し,雌型羽が形成される。本研究では,羽髄細胞にT3を作用させるとPOMC mRNAの発現が亢進すること,ニワトリASIPが糖タンパクとして分泌されること,羽包では既知の甲状腺ホルモン受容体に加え,新規の機能欠損型受容体が作られていることなどを明らかとした。また,プロラクチンによる羽伸長作用にも甲状腺ホルモン系が関与する可能性が示唆された。
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