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2022 年度 実績報告書

新奇細胞種の発生を制御する進化遺伝基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06757
研究機関名古屋大学

研究代表者

橋本 寿史  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (30359757)

研究分担者 宇治 督  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主任研究員 (40372049)
成瀬 清  基礎生物学研究所, IBBPセンター, 特任教授 (50208089)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード分化制御 / 色素細胞 / 転写因子 / 進化的新奇性 / 細胞多様性 / 細胞分画
研究実績の概要

多細胞生物は、環境に適応するために、新奇な細胞種を創出し細胞の種類を増やす進化を遂げてきた。色素細胞は、動物の体色形成に中心的な役割を果たすが、進化にともなって多様化した代表的な例である。脊椎動物の祖先は黒色素胞と虹色素胞を持っていたと考えられるが、魚類の出現とともに黄色素胞が誕生し、多くの脊椎動物は3種類の色素細胞を持つに至った。さらに一部の魚類では白色素胞や青色素胞などが新たに獲得された。このような細胞多様性の進化は、個体発生における分化制御機構の変化に帰するが、その遺伝背景は不明である。
本研究では、白色素胞を持つメダカをモデルとして、個体発生の過程で白色素胞の分化がどのような遺伝子群に制御されているかを明らかにしたいと考えている。
これまでに、メダカにおいて白色素胞は黄色素胞の系譜から分岐して発生することが分かっている。そこで、黄色素胞と白色素胞の比較発現解析によって、白色素胞特異的に発現する遺伝子群の同定を試みた。
色素前駆細胞を蛍光ラベルしたトランスジェニックメダカを用いて、フローサイトメトリー法により白色素胞および黄色素胞の前駆細胞を分画収集した。しかし、蛍光ラベルのために用いたプロモーター遺伝子が色素細胞だけでなく神経細胞にも高発現していたため、神経細胞の混入が避けられず、結局、色素前駆細胞を高純度に単離することはできなかった。
一方、分化した色素細胞全種(黒、虹、黄、白)について、自然着色を目安にマニュアルピックアップにより50~100細胞を収集した。これらの試料をもとにRNA-seq解析を行ない、各色素細胞に特異的に発現する遺伝子群を網羅的に同定することができた。白色素胞特異的遺伝子群の中には、他の色素細胞の40~70倍以上の発現量を示す有望な転写因子が含まれていた。
今後は、この転写因子の機能解析を行ない、白色素胞の分化における役割を明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Miyuki medaka as a model for studying iridophore migration and proliferation.2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi H, Ansai S, Omori Y, Goda M, Naruse K, Hibi M, Hashimoto H
    • 学会等名
      第28回小型魚類研究会
  • [学会発表] 魚類の黄色素胞発生を支える転写制御ネットワーク2022

    • 著者名/発表者名
      橋本寿史、白石陽子、杉若佳祐、小林輝、木村哲晃、安齋 賢、田中理映子、山平寿智、Kawilarang WA Mesengi、宮台元裕、長尾勇佑、Kelsh RN、成瀬 清、日比正彦
    • 学会等名
      第93回日本動物学会
  • [学会発表] The MiT/TFE family members of transcription factors, Mitfa, Mitfb and Tfec, play an important role in pigment cell development in medaka.2022

    • 著者名/発表者名
      Sugiwaka K, Kobayashi H, Kimura T, Ansai S, Tanaka R, Yamahira K, Masengi KWA, Miyadai M, Nagao Y, Kelsh RN, Naruse K, Hibi M, Hashimoto H
    • 学会等名
      第55回日本発生生物学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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