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2022 年度 実績報告書

遺伝学によるBLM-TOP3alpha-RMI1-RMI2複合体の作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06760
研究機関東京都立大学

研究代表者

阿部 拓也  東京都立大学, 理学研究科, 助教 (50779999)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードBLM / RMI1 / RMI2 / DT40
研究実績の概要

2021年度までにRMI1/RMI2 二重欠損が合成致死となること、さらにそこにBLM遺伝子を欠損させて三重欠損細胞を作製したことにより、BLMの欠損によってRMI1/RMI2の合成致死性が抑制されることを明らかにしていた。
これらのことからRMI1/RMI2の非存在化ではBLMの細胞に対して毒性を持つことが示唆された。そこでRMI1/RMI2二重欠損株において、逆にBLMを過剰に発現することによる細胞への影響を確認した。その結果、BLM過剰発現によって、細胞死が起こる割合や、染色体の断裂、染色体分配の異常などはさらに上昇した。またRMI1/RMI2非存在下ではBLMは間期に核内でfociを形成し、さらにこのfociはDNA二重鎖切断のマーカーであるganma-H2AXやRAD51と完全に共局在したことから、BLMによってDNA二重鎖切断が誘導されることが示された。次にRMI1/RMI2が存在している場合でもBLMが大過剰に存在すると細胞にとって悪影響があるのかどうかを確かめるため、野生株においてTet on systemを用いてBLMを一過的に過剰発現させた。その結果、細胞の増殖の大幅な低下が見られた。このことから本来BLMはゲノム安定性を担保する因子でありながら毒性を持つタンパク質であり、RMI1/RMI2はそのBLMの機能を調整することにより毒性を軽減していると考えられた。これらの結果はBLM症候群の成因を明らかにする上でも重要な結果であると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Application of neural network?based image analysis to detect sister chromatid cohesion defects2023

    • 著者名/発表者名
      Daiki Ikemoto, Tomoya Taniguchi, Kouji Hirota, Kiyoshi Nishikawa, Kan Okubo, Takuya Abe
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 2133

    • DOI

      10.1038/s41598-023-28742-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 条件欠損細胞を用いたトポイソメラーゼの解析2022

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也
    • 学会等名
      第9回DNA損傷応答ワークショップ
  • [学会発表] 退化した性染色体に残された機能は性の消滅危機から生物を救うのか?2022

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也
    • 学会等名
      学術変革領域研究B「性染色体サイクル」キックオフシンポジウム
  • [学会発表] ミニ染色体の解析から予測する性染色体の未来2022

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也
    • 学会等名
      学術変革B「性染色体サイクル」第1回領域会議
  • [学会発表] Measurement of the rate of mini-chromosome loss induced by a DSB2022

    • 著者名/発表者名
      松野晟弥, 石田諒, Rika Rifana Sari, 廣田耕志, 阿部拓也
    • 学会等名
      学術変革B「性染色体サイクル」第1回領域会議

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公開日: 2023-12-25  

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