最近、グアニン四重鎖(G4)構造が様々な核酸代謝に関与する可能性が示唆され、DNAのかたちによる新たな制御機構が存在する可能性が高い。真核細胞のmulti-repliconのモデルを構築するため、バクテリアの安定DNA複製(SDR)に着目した。複製起点として同定したoriT1には、機能未知の遺伝子、ycjDと、典型的なG4形成配列が含まれる。精製YcjDタンパク質は、G4特異的結合能を示した。SDRは転写に依存するため、T7 promoter下にG4配列を置き、転写依存性ゲノム複製系を構築した。この結果は、転写に伴って、DNAとRNA間に形成されるG4が重要な役割を果たすことを強く示している。
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