研究課題
基盤研究(C)
同型配偶クラミドモナスと卵生殖ボルボックスの有性生殖において、性決定遺伝子MIDの有無によって配偶子の遺伝子発現プロファイルが変化することは知られていたが、その分子基盤は不明であった。本研究ではMIDと相互作用する因子VSR1を同定し、さらにVSR1がMIDの非存在化ではVSR1自身と相互作用してホモダイマーを形成することが示された。
性進化学
同型配偶クラミドモナスにおいて1994年に性決定領域ならびに1997年にマイナス・オス性決定転写因子MIDが同定されて以来じつに30年近い年月にわたり一切不明であった、ボルボックス系列緑藻の性決定にかかわる遺伝子制御の分子基盤の実体が本VSR1の発見によりついに解明されたと信ずる。この結果はむしろ今後、どのような遺伝子群の発現が「性の実質」であるかを明らかにするためのスタートラインに立つものとして位置づけうるだろう。