研究実績の概要 |
大腸菌・クロレラ・テトラヒメナの3種構成マイクロコズムの13年間の培養で得られたクロレラ分離株(5, 6, 8, 13年培養からそれぞれ,4株, 2株, 9株, 9株)と祖先株の計28株の全ゲノム解読をが完了した.とくに、大腸菌との共生が推定される特徴を持つ株(単独培養で集塊形成)とテトラヒメナとの共生が推定される特徴を持つ株(単独培養で細胞分散)を選んだ。クロレラ分離株と祖先株の計28株の全ゲノムの解析の結果、細胞集塊形成に関与する可能性のある遺伝子群を特定した。さらに、クロレラと大腸菌の細胞集塊形成による共生の進化の検証として、アミノ酸要求性の大腸菌と集塊形成能のあるクロレラ分離株(いずれも13年)を共培養した結果、大腸菌はこの集塊に入り込んで生存繁殖できることが示された。 また、細胞がフィラメント状になる大腸菌分離株は培養5年には多く出現しており,これはクロレラ細胞集塊に入り込めないことが明らかになっていた。この形質はテトラヒメナからの捕食を避け、かつ非共生方向に進化したと考えられた。このフィラメント化の原因遺伝子を解析した結果、zipAであることが明らかになった。 本研究で得られた主要な分離株を他の研究者の研究材料に供するため外部機関に寄託した。クロレラ祖先株および5~13年培養後に分離した主要9株を独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターに、大腸菌祖先株から進化した6,8,13年培養後に分離した主要株(各年15株、合計45株)を国立遺伝学研究所ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)「大腸菌」に、テトラヒメナ祖先株(接合型の異なる2クローン)とCETマイクロコズム7~8年培養後に分離した11株を山口大学共同獣医学部ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)「ゾウリムシ」)にそれぞれ寄託した。
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