有性生殖は真核生物に普遍的に存在する現象である。性決定機構はそれぞれの系統で独自に獲得されている。有性生殖は、同形配偶からより複雑な異形配偶、卵生殖へと進化したと考えられており、同形配偶を行う単細胞真核生物は比較的単純な性決定領域をそのゲノム上に持つ。そのため、酵母や単細胞緑藻クラミドモナス等においては性決定領域、性決定機構の研究は比較的進んでいる。我々はこれまでに見つかっていなかったイデユコゴメ類の有性生殖過程を発見し、それを基に、遺伝的改変技術の開発や性決定領域の候補の同定に至った。今後、イデユコゴメ類を有性生殖研究におけるモデル生物系統群として利用するための基盤が整いつつある。
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