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2021 年度 実施状況報告書

鳥類を終宿主とする鉤頭虫類の生活史の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06781
研究機関旭川医科大学

研究代表者

佐々木 瑞希  旭川医科大学, 医学部, 助教 (00632126)

研究分担者 中尾 稔  旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70155670) [辞退]
筏井 宏実  北里大学, 獣医学部, 准教授 (80327460)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード鳥類
研究実績の概要

昨年度に引き続き、本州ならびに北海道の鳥類、両生類、魚類より鉤頭虫の成虫あるいは幼虫を検出し、核DNAおよびミトコンドリアDNAにもとづいたバーコーディングを行った。これらのサンプルから複数種の鉤頭虫を検出したが、中でもSouthwellina hispidaについては関東地方の3種の鳥類(カワウ、トビ、ゴイサギ)と2種の魚類(ナマズ、ワタカ)からそれぞれ成虫と幼虫を検出した。S. hispidaはこれまでメキシコのサンプルにもとづいてバーコードが決定されていたが、今回の調査により本邦のものはメキシコのものと比較してDNA配列が別種レベルで異なることが判明した。S. hispidaの基産地は関東地方であるため、これまでの報告を修正し、基産地と形態に基づいた正確な本種のDNAバーコードを公開すべく準備を行っている。トビやゴイサギからは同時にCentrorhynchis magnusが見いだされており、これについてはこれまで分子学的解析は行われてこなかった。これについて核ならびにミトコンドリアDNAバーコードを付与し、本属の他の種と比較を行ったところ、これまで報告されている配列とは異なっていた。したがって、C. magnusの配列についても形態学的情報を再記載するとともに遺伝子情報を公開する予定である。
その他、魚類から複数種の成虫ならびに幼虫が検出された。成虫については種同定を行い、アメマスならびにウサギアイナメにおいて未記載種が存在することを確認した。幼虫に関しては鳥類から得られた成虫のDNAバーコードデータベースを用いてライフサイクルの解明を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本州以南におけるサンプリングはcovi-19による移動制限により滞ったが、その分研究協力者からの検体提供により補うことができた。昨年度得られたサンプルについてはおおむね形態学的同定とDNAバーコーディングが終了している。待機宿主である魚類や両生類のデータは着実に増えているが、甲殻類の調査が進んでいない。サンプルの劣化が早いことと、採集に手間がかかることから、実際に現地に赴いてサンプリングする必要があるためである。

今後の研究の推進方策

引き続き鳥類、両生類ならびに魚類のサンプリングを行う。また、今後は実際に調査地に赴いてサンプリングを行う。その際、ヨコエビ等の甲殻類についても調査対象とする。得られた甲殻類は研究協力者に依頼するなどしてなるべく速やかに幼虫を検出する。
すでに集めている検体については、形態学的ならびに分子学的同定を進める。鉤頭虫については系統分類が進んでいないため、系統解析によってこれまでの分類体系の見直しを図る一助とする。作成したデータベースについては、共同研究者ならびに研究協力者の間で共有されている。
Southwellina hispida、Centrorhynchus magnusについては、登録されているDNAバーコード修正ならびに新たな配列の登録を主張する論文を作成中である。また、調査の中で発見した魚類の鉤頭虫については、未記載のものについて新種記載論文を作成する予定である。

次年度使用額が生じた理由

調査日数に変更があったため、その分の旅費が次年度使用額となった。翌年度の調査費として使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 北海道産魚類にみられるEchinorhynchus属鉤頭虫2022

    • 著者名/発表者名
      佐々木 瑞希・中尾 稔
    • 学会等名
      日本動物学会北海道支部第66回大会

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公開日: 2022-12-28  

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