植物の光受容体が,新たな種を生み出す種分化を引き起こす引き金となるかを検証するために,日本列島に分布するミヤマタネツケバナとその姉妹種で北極圏に広く分布するCardamine bellidifoliaの進化プロセスを明らかにする研究に取り組んだ。ゲノムワイドな遺伝子の変異を分子進化学的に解析する研究とシロイヌナズナの形質転換体などを用いた光応答に関連する生理学実験を行うことで,日本列島固有のミヤマタネツケバナが種分化するプロセスには,植物の赤色光受容体であるフィトクロム(PHYB)の光に反応する感度の違いが関わることを明らかにした。
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