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2022 年度 実施状況報告書

異数化が関与すると推定される“無性時代”酵母の多様性獲得の仕組みの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06801
研究機関東京農業大学

研究代表者

高島 昌子  東京農業大学, その他部局等, 特命教授 (20333304)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードCutaneotrichosporon / C. cavernicola / Trichosporonales目 / ハイブリッドゲノム
研究実績の概要

ドラフトゲノム解析を行った担子菌酵母Cutaneotrichosporon cavernicola(Trichosporonales目、担子菌類ハラタケ亜門)と関連菌株のうち、ゲノムサイズが約20Mbの5株について解析を進めた。本種のタイプであるHIS19とこれとは少し異なることが推定されていたHIS471の2株については追加のゲノム解析を実施し、高品質なゲノムを得た。アセンブリの結果、ほぼ染色体完全長コンティグを得ることができ、また染色体数は7本と推定された。シンテニー解析により、HIS019、HIS002、HIS631、およびHIS641の4株は概ね同様の染色体構造を持っていると推定された。これに対しHIS471は、HIS019等と比較すると20か所以上の転座・逆位などの染色体構造変化が存在していた。一方で、これら5株の菌類簡易同定の指標であるバーコード配列(ITS領域)は一致していた。子嚢菌酵母ではSaccharomyces属の種間やCandida albicansとC. dubliniensisなど極めて近縁な種間では、シンテニーはよく保存されていると報告されている。本結果は、種の境界を推定する際に用いられるバーコード領域の類似度とゲノムシンテニーの関連についての新たな知見につながるものと考えられるため、ハイブリッドゲノム株との関係も含めて、さらに詳細に調べる予定である。本内容を、日本農芸化学会2023年度大会で報告した。
また、当初予定していたセルアナライザーを用いた観察を実施できる体制を整えた。現在、解析に向け、培養条件や固定方法等の条件検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していたセルアナライザーを用いた細胞周期の観察はあまり進んでいないが、実施できる体制を整えた。現在培養条件などを検討中である。

今後の研究の推進方策

Cutaneotrichospoon cavernicolaのゲノムデータから、ハイブリッドゲノムの解析等インフォマティクス解析と細胞生物学的解析の両方を用いてまとめ、〝無性世代”酵母の多様性獲得の仕組みの一端を明らかにしたいと思っている。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に解析した株は、ハイブリッドゲノム株の両親と極めて近縁と推定される株である。2023年度はこれにハイブリッドゲノム株を加えて、これらの株のゲノム情報と表現型から種内多様性獲得の仕組みに迫りたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ゲノム情報に基づいた担子菌酵母Cutaneotrichosporon cavernicolaの種分化の解析2023

    • 著者名/発表者名
      小林裕樹、栢森綺音、青木敬太、志波優、藤田信之、杉田隆、田中尚人、高島昌子
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度大会

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公開日: 2023-12-25  

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