これまであまり着目されてこなかった半倍数体における生殖隔離の強化を調べるために、半倍数体であるススキスゴモリハダニ種群近縁2種の接触帯の状況、接触帯での遺伝的集団構造、生殖的隔離状況の調査を行った。これら近縁2種は標高による棲み分けがみられるが、山の中腹で2種の接触帯が形成されていた。野外性比は種間交尾が起こっていることを示唆し、室内交配実験でも強い交尾後接合前隔離が見られたものの雑種形成が確認された。しかし、接触帯では雑種は見られず、遺伝子浸透もごくわずかであった。そのため、交尾後接合前隔離に加えて何かしらのメカニズムにより遺伝子浸透が抑制されていると考えられた。
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