研究課題/領域番号 |
20K06813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
河村 功一 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (80372035)
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研究分担者 |
古丸 明 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10293804)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国内外来種 / 遺伝的攪乱 / 種間関係 / 生殖的隔離 / 系統地理 / 種間交雑 / 遺伝子浸透 / 棲み分け |
研究成果の概要 |
国内外来種の侵入が在来種の種間関係に与える遺伝・生態的影響を見るため、アブラハヤとタカハヤに注目し、調査を行った。分子マーカーを用いて集団解析において、伊勢湾周辺域に生息する両種の複数の集団から外来ゲノムが検出された。外来ゲノムの頻度が高い生息地において種間関係を調べた所、両種の交雑率は高かった。雑種はF1だけでなくBCも存在し、核DNAとmtDNAで種が一致しない個体も見られたが、雌と異なりF1雄は不妊の可能性が高く、これが種の存続を保障していると考えられた。交雑個体における外来ゲノムの割合は高かったものの、外来ゲノムと交雑率の間に直接的な関係は見いだせず、生息環境の改変の影響が覗われた。
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自由記述の分野 |
分子生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブラハヤとタカハヤの混生域における交雑個体の比率の高さの理由として、配偶行動における交配前隔離の不在が原因であり、こうした乱婚とも言える状況下で両種の存続を可能としている要因として、交雑個体の雄における不妊の可能性が明らかとなった。DNA分析の結果から調査地点においては両種共に移入の可能性の高い個体が多く見られた事から、交配前隔離の不在は外来個体における交配前隔離の不在の可能性も覗われたが、野外調査の結果から堰堤等の河川構築物による移動阻害が両種の交雑を促進している可能性が高い事が示唆された。これらの結果は、同所的に生息する近縁種の存続においては生態系の連続性が重要性であることを意味している。
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