生物群集形成における「先住効果」の強度を決定するメカニズムについて研究した。具体的には、植物上の昆虫群集に着目し、仮説1:最初に定着する植食者の種類が植物の香りシグナルによって決まる、仮説2:先住効果は植物の誘導応答の種特異性によって顕著になるという2つの仮説を仮定した。ヤナギの系での検証では、仮説1について、後期の群集形成においては、PVOCの組成と初期の群集形成が関連しており、PVOCが環境フィルターとして働いていることが示された。仮説2では、誘導応答の強さと群集形成との関係性は見られず、アブラナでは、植物を食害する害虫の種類によって後続の節足動物群集の組成が変化することが示された。
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