発生発達段階の神経細胞における突然変異が自閉症スペクトラ障害など脳発達障害や精神神経疾患の原因になることが示されている。しかし、いつ・どこで・どのような過程により神経細胞ゲノムにDNA損傷さらに突然変異が惹き起こされるのか、またその環境要因に関しては多くの点が不明であり学術的に極めて重要な問いである。本研究において明らかとなった神経細胞の発生・分化に不可欠な能動的DNA脱メチル化の過程におけるDNAポリメラーゼβの役割は、そのメカニズム解明に向けて極めて重要な発見であり、細胞内ビタミンC濃度調節の重要性が示唆されたことは疾患の予防介入に向けた研究に貢献できる成果である。
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