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2020 年度 実施状況報告書

ゼブラフィッシュ仔魚をモデルとした左右の前庭入力を統合演算する脳幹回路の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K06866
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

谷本 昌志  基礎生物学研究所, 神経行動学研究部門, 助教 (30608716)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード前庭 / 卵形嚢 / カルシウムイメージング
研究実績の概要

前庭感覚情報は内耳の前庭感覚器の有毛細胞によって受容される。なかでも頭部の傾きや直線加速度の方向は耳石器官の有毛細胞の感覚毛の配向によって検出される。有毛細胞の生理学的性質や形態は詳細に調べられてきた一方で、生体内での生理的活動記録が困難であることから個々の細胞の生体内での活動や細胞の位置に応じた機能的差異については詳細に理解されていない。本研究では哺乳動物と相同な耳石器官を備え、透明でイメージングに適したゼブラフィッシュ幼魚を用いて、生体内カルシウムイメージングの手法を用いて前庭入力回路の構成と機能を明らかにすることを目的とした。
まず、対物レンズ、電動回転ステージ、共焦点スキャナ、sCMOSカメラやその他の光学パーツを組み合わせた独自のカスタム顕微鏡を用いて、頭部を傾けた際の耳石器官(卵形嚢)および前庭神経節神経細胞の活動を、それぞれの細胞に発現させたカルシウム指示緑色蛍光タンパク質(jGCaMP7f)および赤色蛍光タンパク質(tdTomato)の蛍光のイメージングにより可視化した。画像分割光学系を用いて緑色/赤色蛍光画像を同時取得し蛍光強度比を算出することで、励起光の不均一分布や傾斜に伴う光学系の歪みによって生じるアーティファクトを低減させた。この手法により生体内で頭部傾斜(ロール(左右)方向、ピッチ(前後/吻尾))および振動刺激に対する有毛細胞の活動の様子および個々の細胞の機能的差異を可視化することに初めて成功した。有毛細胞や前庭神経節ニューロンの応答は一様ではなく、細胞体の存在場所に応じて異なる特徴の前庭情報をコードし脳幹へ伝達することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

独自のカスタム顕微鏡および遺伝子組換え系統を用いた生体内Ca2+イメージングの実験系が期待通りに運用でき、頭部傾斜時の神経細胞の活動を可視化できている。

今後の研究の推進方策

計画に沿って進める。

次年度使用額が生じた理由

SARS-CoV-2による状況により旅費等の使用状況に変更の必要が生じたため。状況は今後徐々に好転していく可能性があるため、臨機応変に対応していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ゼブラフィッシュを用いた脊椎動物の姿勢制御メカニズムの機能イメージング解析2020

    • 著者名/発表者名
      谷本昌志, 東島眞一
    • 学会等名
      第3回 ExCELLSシンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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