神経幹細胞は発生の進行に伴い、ニューロンからグリアへと分化する細胞を変換させていく。研究代表者はNeurog1など、ニューロン分化に重要な複数の転写因子の近傍に、発生進行に伴い、遺伝子発現抑制の指標となるDNAメチル化修飾を高密度に獲得する領域があること、in silico ChIP解析により、これら領域に結合する候補因子としてTrim28を見出した。実際に神経幹細胞においてTrim28をノックダウンした結果、アストロサイト分化が抑制、ニューロン分化能が有意に上昇、転写抑制に機能するNuRD複合体と相互作用することで、ニューロン産生能の低下に係るエピジェネティクス制御に係ることを見出した。
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