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2022 年度 実績報告書

RNA顆粒による局所翻訳制御とプレシナプス形成: 相分離とシナプス顆粒との関連

研究課題

研究課題/領域番号 20K06877
研究機関横浜市立大学

研究代表者

佐々木 幸生  横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (10295511)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード横浜市 / 神経生物学 / 脆弱X症候群 / RNA結合タンパク質 / 液-液相分離
研究実績の概要

Fragile X mental retardation protein (FMRP) は脆弱X症候群の原因遺伝子産物であり、RNA顆粒を構成するRNA結合タンパク質の一種である。我々の開発した新規プレシナプス形成法を用いて、FMRPが他のRNA結合タンパク質であるGAP SH3 Domain-Binding Protein (G3BP) 1および2、リボソームと共にプレシナプスで顆粒状に共局在することを見いだした。この結果から、FMRPはプレシナプスでRNA顆粒を形成し、局所的な翻訳に関与していることが示唆された。また、FMRPはG3BP1と2とともにストレス顆粒と呼ばれるRNA顆粒を形成する性質がある。RNA顆粒形成には、RNA結合タンパク質の天然変性領域が関与すると考えられている。そこで、天然変性領域を欠くFMRPあるいはG3BP2の変異体をHEK293T細胞に過剰発現させると、これらは優性阻害体として働き、ストレス顆粒形成を抑制することが判明した。さらに、FMRPのRNA結合ドメインと天然変性領域を組み合わせて、光遺伝学的にオリゴマー形成可能なOptoDropletシステムに適用した融合タンパク質 (OptoFMRP) を作成した。OptoFMRPは青色光照射により、可逆的に顆粒形成を誘導できる。この顆粒にはストレス顆粒マーカーの一つであるFXR1PとpolyA+ RNAが共局在しており、RNA顆粒の性質を有していた。したがって、OptoFMRPを用いることで、光依存的にFMRPを含むRNA顆粒を形成することが可能となった。今後、このシステムを活用して、プレシナプスにおける時間空間的なFMRP含有RNA顆粒の形成を誘導し、局所翻訳制御やシナプス機能調節の役割を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] RNA 顆粒と神経細胞のRNA 輸送・局所翻訳2022

    • 著者名/発表者名
      藤原 睦也、佐々木 幸生
    • 雑誌名

      月刊「細胞」

      巻: 54 ページ: 478-482

  • [学会発表] 光遺伝学的な液-液相分離制御による脆弱X精神遅滞タンパク質含有顆粒形成の神経細胞内における操作2022

    • 著者名/発表者名
      藤原 睦也、佐々木 幸生
    • 学会等名
      日本分子生物学会

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公開日: 2023-12-25  

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