研究課題/領域番号 |
20K06883
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田村 泰久 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (60446523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | NG2 / グリア細胞 / 神経細胞 / ミトコンドリア |
研究実績の概要 |
近年、神経細胞のミトコンドリアの品質管理システムの破綻が神経変性疾患の発症に関わる可能性が示唆されている。実際、不良ミトコンドリアの蓄積が神経細胞死を引き起こすことも明らかになりつつある。したがって、神経細胞におけるミトコンドリア品質管理システムの理解およびその制御は神経機能の保全や神経変性疾患の新たな治療ターゲット探索へと繋がると考えられる。神経細胞でのミトコンドリア品質管理システムとしては、オートファジー機構がよく知られているが、別の機構(経路)が存在するのかについては明らかでない。本申請研究では、神経細胞-NG2グリアの細胞膜融合を介したミトコンドリア輸送が神経細胞における新たなミトコンドリア処理システムとなりうるのか、そして神経機能の保全に繋がるのかについて検証する。 本年度は、神経細胞特異的マーカーcreマウスとミトコンドリア特異的蛍光タンパク質(EGFP)発現floxマウスとの交配により作製した遺伝子改変マウスを用いて、神経細胞選択的にEGFPラベルしたミトコンドリアの動態解析を開始するとともに、NG2グリアのミトコンドリア選択的にEGFPラベル化した遺伝子改変マウスを用いて、ストレス負荷モデルを作製し、NG2グリアのミトコンドリア動態の変化について解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画は、1)神経細胞のミトコンドリアを選択的にEGFPラベル化したマウスの立ち上げと、2)NG2グリアのミトコンドリアを選択的にEGFPラベル化したマウスを用いたストレス負荷時におけるNG2グリアのミトコンドリア動態の変化について検討することである。1)については、神経細胞マーカーcreマウスの出産・育児等の個体維持での問題や、神経細胞マーカーcreマウスxEGFP標識ミトコンドリアfloxマウスとの交配状況に少しトラブルがあり、若干の遅れがあるものの、おおむね順調である。2)については、NG2グリアのミトコンドリア選択的にEGFPラベルしたマウスを用いて、ストレス負荷時におけるミトコンドリアの動態をコントロール時と比較したところ、ストレス負荷特異的な形態変化が観察された。よって、今年度の実験計画については、おおむね予定通りに進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、ストレス負荷時における神経細胞およびNG2グリアのミトコンドリア動態変化についてさらに詳細な解析を実施するとともに、NG2グリア選択的除去が神経細胞のミトコンドリア動態にどのような影響を及ぼすかについて検討することで、病態時における神経細胞-NG2グリア間でのミトコンドリア輸送の役割について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
神経細胞creマウスの繁殖状況および神経細胞creマウスxEGFPラベルミトコンドリアfloxマウスとの交配における問題等により、実験に使用するマウスが予定匹数得られなかったため、さまざまな試薬やキットの購入を見送っため。
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