アルツハイマー病の患者脳より発見された膜貫通型コラーゲンColXXVの生理的役割を解析した。ColXXVは胎生期には筋肉に一過性に発現し、骨格筋内部での運動ニューロン軸索の伸長に必須の役割を果たす。本研究では、ColXXVが軸索上のRPTPσ/δと結合することで、プロテオグリカンが関与する軸索伸長/抑制を制御する可能性を明らかにした。また、ヒトColXXVで見つかった先天性の脳神経発生異常を来す変異が、RPTPσ/δとの結合ならびに軸索伸長を障害することも示した。さらに、薬理学的な筋障害や筋ジストロフィーモデルにおいて、骨格筋の再生過程でColXXVが発現上昇することも見出した。
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