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2023 年度 実績報告書

軸索内に停止型ミトコンドリアを一様に分布させる機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06889
研究機関福井大学

研究代表者

小西 慶幸  福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (00382838)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード軸索 / ミトコンドリア / ATP
研究実績の概要

軸索内に散在する停止型ミトコンドリアは、局所的に必要なATPを供給することで軸索形態の維持に重要な役割を担うと考えられる。このため、停止型ミトコ ンドリアの分布を調節するシステムが存在すると予想されるが、その実態は不明である。前年度までの研究結果により、ミトコンドリアが産生するATPの濃度勾配に従って軸索内のミトコンドリアを均等に分布させる機構の存在が示唆された。その機構として、ATPの下流における局所的なシグナルの変化や、ATPによるモーター因子の直接的な制御が想定される。そのため、ATPに関連した因子としてAMP/ATP比の上昇により活性化するAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の阻害剤、及びATPとの直接的相互作用により活性化するATP受容体(P2プリン受容体)の阻害剤を投与した神経細胞においてミトコンドリアの運動性を解析したが、有意な変化は検出されなかった。これらの結果から、ATPを介した細胞内のシグナル因子の局所的な活性の変化ではなく、ATP濃度の上昇によりモーター因子の直接的な制御によりミトコンドリアの運動性が変化する機構を想定した。しかし、ATP濃度の小さい変化がミトコンドリアの運動性を変化させるのに十分であるのかという問題がある。停止型ミトコンドリアが微小管から解離する際には、複数のモーター因子がATPと結合し、協調的に駆動される必要があると考えられるが、数理モデルにおいては、このような条件においてミトコンドリアがより均等に分布がすることが示され、モデルの妥当性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Active thermodynamic force driven mitochondrial alignment2024

    • 著者名/発表者名
      Masashi K. Kajita, Yoshiyuki Konishi, Tetsuhiro S. Hatakeyama
    • 雑誌名

      PHYSICAL REVIEW RESEARCH

      巻: 6 ページ: L022024

    • DOI

      10.1103/PhysRevResearch.6.L022024

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 3-nitrotyrosine shortens axons of a non-dopaminergic neuron by inhibiting mitochondrial motility2024

    • 著者名/発表者名
      Hirai M, Suzuki K, Kassai Y, Konishi Y
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/2024.05.09.593299

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 軸索内のミトコンドリアの分布・動態制御およびシナプス形成との関連2023

    • 著者名/発表者名
      小西慶幸、堀生実、松本望、梶田真司、村瀬朋弥、中村航、辻隆宏、三宅誠司、稲谷大
    • 学会等名
      第66回日本神経化学会大会
  • [学会発表] SAGによるShh経路活性化を介した顆粒細胞前駆細胞の培養とその応用2023

    • 著者名/発表者名
      福本大貴、小西慶幸
    • 学会等名
      第66回日本神経化学会大会
  • [備考] 福井大学 生命システム科学研究室

    • URL

      https://sites.google.com/view/llss-uf

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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