研究課題/領域番号 |
20K06894
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
宗宮 仁美 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (20548713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 選択的ポリA付加反応 |
研究実績の概要 |
令和2年度は以下の項目について実施した。 (1)レポーター遺伝子を用いたポリA付加シグナル(PAS)の選択強度の評価 レポーター遺伝子を用いた選択的ポリA付加反応の評価系のベクターを既報に従い構築したが、in vitroでの解析の結果、作製したベクターでは PAS の強度を測定することはできたが、選択的ポリA 付加反応を評価することができなかった。また、作製した選択的ポリA付加反応の評価ベクターをマウス胎仔脳に導入したところ、タンパク質および mRNA の不安定化シグナルが強すぎるためか、レポーター遺伝子の発現をin vivoでは検出することができなかった。そのため、PASの選択を評価でき、かつin vivoでも検出できるように再度評価系ベクターを改良する必要があることがわかり、現在改良中である。 (2)選択的ポリA付加反応の責任分子の変調に大脳皮質構築過程の細胞の挙動変化:選択的ポリA付加反応に関与する因子Xのドミナントネガティブ体を作製した。作製したベクターをマウス胎仔脳に遺伝子導入し、その細胞挙動を評価した。その結果、変異体が導入された細胞の挙動が変化することを見出した。現在、詳細なメカニズムを検討している。 (3)選択的ポリA付加反応の責任分子の遺伝子欠損モデル細胞の樹立:(1)及び(2)の実験の解析に用いるため、CRISPR-Cas9を用いて、選択的ポリA付加反応に関与する因子Xを欠損させたPC12細胞及びHEK293細胞の樹立を試みた。PCRによるスクリーニングの結果、複数個のクローンを得ることができ、現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
選択的poly A付加反応を評価系の構築の改良点が見つかり、現在ベクターの改良に取り組んでいる。また大脳皮質構築過程における遺伝子Xの役割について、変化を捉えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、昨年度見出した細胞挙動の違いのメカニズムを解析するとともに、選択的ポリA付加反応を可視化する評価系のベクター構築の検証を実施する。検証後、神経発生に伴う選択的poly A付加反応の変化をレポータ―遺伝子の発現で評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により一時、研究が予定通りに進められなかった期間があったこと、また物品の納品が遅れにより支出できなかった。次年度の必要物品の購入に使用する。
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