再生可能な資源である空気中の酸素分子を酸素源として利用する分子変換法は、これまで有機酸化物や無機酸化物に依存していた酸化反応を一新しうるものであり、持続可能な社会の実現に求められる技術の一つとして注目されている。今回我々が本申請課題を通じて開発した触媒的酸素付加型アミノペルオキシ化反応は、医薬品や天然物などに広く存在するイソオキサゾリジン環を合成できる方法論である。本手法は、EtOH中、基質に対し僅か1 mol%のマンガン錯体を添加するのみで、窒素-炭素結合形成と酸素分子の付加を一挙に進行させることができる操作性の優れた環境調和性の高い分子変換法である。
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