研究課題
基盤研究(C)
本研究課題ではアルキルナイトレンの分子内環化反応を基盤とした飽和N-ヘテロ環の合成を主題に,活性種の新規発生法および触媒による反応制御法の開発を行った。研究結果として主に,銅触媒による化学選択的アミノ化反応,ロジウム触媒によるジアステレオ選択的環化反応,1級アミンをナイトレン前駆体とする環化反応,の3つの成果を得た。開発した方法論により,既存手法では合成困難な多官能基型ヘテロ環の迅速な供給が可能となった。
医薬化学
飽和N-ヘテロ環は医薬化学における最重要骨格であり,既存手法では合成困難であった種々の多官能型ヘテロ環が本研究により容易にアクセス可能となった。構造的にユニークな新規ビルディングブロックにより医薬化学の発展が強く促進されると期待される。また本研究を通じて得られた反応活性種アルキルナイトレンの発生法や反応性に関する実験化学的知見は,昨今注目を集めている未開拓活性種の今後の発展に向けて重要な礎となる。