4-アリルオキシ-L-プロリンと種々のアミノ酸やペプチドを縮合させ、閉環メタセシス反応することで基質制御によるEおよびZ選択的なペプチド側鎖環化を達成した。また5員環状のジ置換アミノ酸の側鎖にアリル基を導入したものを用いて、ペプチド側鎖上でのE選択的架橋形成反応を試みた。その結果、一般的に用いられる鎖状のジ置換アミノ酸を用いた場合では、α位の立体化学がいずれの場合であっても約2:1の低い選択性しか得られなかった一方で、5員環状ジ置換アミノ酸を用いた場合で>20:1の高いE選択性を得ることに成功した。また不斉エポキシ化における有機分子触媒としても機能し、最高99%eeの選択性で目的物を与えた。
|